ブラウザの窓には,確かに数年後がみえる。でも,15年後は想像がつかない。10年は一昔だが,15年は1ビットで割りきれない。
モザイクの開発10周年を記念し,イリノイ大学でシンポジウムが開催されたが,欠かせないはずのマーク・アンドリーセンの名前は講演者になかった。問い合わせてみるとオプスウェア社のトップとして多忙のため,参加できなかったという。アンドリーセンの欠席は残念だけど,ビント・サーフはカウ・チッピングを楽しんでくれそうだ。
インターネットが変わったのは,10年前。ZDnet Newsの記事にあるように,そこですべてが変わった。すべてはモザイクに帰結する。でもまだ,変化は終わってはいない。アンドリーセンが云うように,25年が必要。生まれたときからいつでもブラウザがあった人が,社会的な役割を担うときに,大きなパラダイムシフトが起こる。きっと,私たちには想像できない動きがある。
ぢゃあネットで調べよう,と云う発想ではなく,ぢゃあ,の前にもうネットがある状況を,たぶん私は想像できない。そういう状況の元で生まれて,育った人間の気持ちはたぶんちょっと違うのだろう(なんか年寄り臭い言葉だ。ネットワークについていけてない,音楽業界,それにテレビ業界も出版業界も,彼らが来る前になんらかの手を打ち出せなければ,存在自体,瓦解されてしまうだろう。是が非でもなにかをしなければいけない,という気持ちがまだ足りなすぎる。ネットワークによって濃密になった世界は,15年など一瞬で消費してしまうのだから。
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